【Python⑧】Jupyter Notebook の基本|コードを少しずつ試す
ここまでで、Pythonの基本文法、ファイルを読む考え方、そしてエラーの読み方を整理しました。次に必要になるのは、コードを少しずつ書き、動かし、結果を確認しながら学ぶための環境です。そこで今回は、Jupyter Notebook の基本を整理します。
データサイエンスでは、長いプログラムを一気に書くよりも、短いコードを順番に試しながら進める場面が多くあります。Jupyter Notebook は、その流れと非常に相性がよい環境です。ここでは、Jupyter Notebook を単なる便利な道具としてではなく、学習や分析の進め方と結びつけて理解します。
この記事で整理すること
- Jupyter Notebook とは何か
- セルという考え方
- 上から順に実行することの意味
- Jupyter Notebook がデータサイエンスでどう役立つか
目的は、Jupyter Notebook の操作を細かく覚えることではありません。まずは、どのような考え方で使う環境なのかを整理し、今後の学習や分析の土台にすることです。
Jupyter Notebook とは何か
Jupyter Notebook は、コードを書き、その場で実行し、結果をすぐ確認できる環境です。通常の Python ファイルでは、コード全体をまとめて実行することが多いですが、Jupyter Notebook では部分ごとに区切りながら進められます。
この特徴によって、短いコードを試し、結果を見て、必要に応じて修正するという流れが作りやすくなります。特にデータ分析では、途中の結果を確認しながら進めることが重要なので、Jupyter Notebook は非常に使いやすい環境です。
また、コードだけでなく文章も一緒に残せるので、学習ノートや分析メモとしても使いやすいという利点があります。
セルという考え方
Jupyter Notebook では、内容をセルという単位で管理します。セルごとにコードを書いたり、文章を書いたりできます。
たとえば、1つのセルで変数を定義し、次のセルでその変数を使うことができます。
x = 10 y = 20print(x + y)
このように、処理を小さく区切って実行できるのがセルの特徴です。長いコードを一気に書くよりも、段階ごとに確認しながら進められるので、学習の初期段階でも扱いやすくなります。
コードセルと文章セル
Jupyter Notebook には、主にコードを書くためのセルと、文章を書くためのセルがあります。コードセルでは Python を実行し、文章セルでは説明やメモを残せます。
たとえば、コードの前に「このセルでは何を確認するのか」を文章で書いておくと、あとで見返したときに流れを追いやすくなります。これは、単にコードを動かすだけでなく、自分の理解を整理しながら進めるうえでも重要です。
データサイエンスでは、結果だけでなく、その途中で何を考えていたかも残しておく価値があります。その意味で、文章セルを使える点は大きな利点です。
上から順に実行することの意味
Jupyter Notebook では、セルを1つずつ実行できます。ただし、ここで重要なのは、Notebook 全体には実行した順番が残るということです。見た目が上から並んでいても、実際の状態は実行順に依存します。
たとえば、下のセルを先に実行すると、上のセルをまだ動かしていなくても結果が出ることがあります。
value = 100print(value)
このとき、以前どこかで value を定義していれば、見た目には不自然でも動いてしまうことがあります。逆に、上に変数定義が書いてあっても、そのセルを実行していなければエラーになります。
つまり、Jupyter Notebook では「見た目の順番」と「実際に実行した順番」がずれることがあります。この点を理解していないと、なぜ動くのか、あるいはなぜ動かないのかがわかりにくくなります。
Jupyter Notebook で起こりやすい混乱
Jupyter Notebook は便利ですが、その便利さゆえに独特の混乱もあります。特に起こりやすいのは、変数が以前の実行結果として残っていることに気づかないケースです。
たとえば、一度セルを実行して変数を作ると、その後そのセルを消したり書き換えたりしても、実行状態の中には値が残っていることがあります。そのため、「このコードだけを見ると動くはずがないのに動いている」という状況が起こります。
このような混乱を避けるためには、Notebook を上から順に実行し直す習慣を持つことが重要です。特に、内容を整理したあとには、最初から順番に動くかどうかを確認する必要があります。
Jupyter Notebook が学習に向いている理由
Jupyter Notebook が学習に向いている理由は、短い単位で試せることにあります。1行書いて動かす、少し修正してまた動かす、という流れが作りやすいため、文法や動作を確認しながら進められます。
また、エラーが出ても、コード全体が長すぎなければ原因を切り分けやすくなります。これは、前回整理したエラーの読み方とも相性がよいです。小さく試し、小さく直すという進め方がしやすくなります。
さらに、文章とコードを並べて残せるので、学習記録そのものとしても使えます。これは、今作っているブログの方向性ともかなり近いです。
データサイエンスでどう役立つか
データサイエンスでは、データを読み込み、先頭だけ確認し、列名を見て、簡単な集計をし、必要なら可視化する、というように段階的に進めることが多くあります。Jupyter Notebook は、このような流れをそのまま実行しやすい環境です。
また、分析の途中結果をその場で確認できるので、データの形や値の変化を追いやすくなります。これは、ファイルを読む、データを整える、エラーを確認するといった基礎作業のすべてとつながっています。
今後 pandas や可視化に進むと、Jupyter Notebook の便利さはさらに大きくなります。その意味でも、この段階で基本的な考え方を整理しておく価値があります。
よくある混乱
ここでは、最初に混乱しやすい点を整理しておきます。
- 見た目の順番と実行順が一致していると思い込む
- 以前に実行した変数が残っていることに気づかない
- セルごとに処理が分かれている意味を意識しない
- コードとメモを分けずに雑然と書いてしまう
特に多いのは、「さっきまで動いていたのに、なぜか今は動かない」という状態です。これは、実行状態と見た目がずれていることが原因になりやすいです。そのため、Notebook は上から順に動かす意識を持つ必要があります。
今の段階で押さえるべきこと
現時点で必要なのは、Jupyter Notebook のすべての操作を覚えることではありません。まずは、コードをセルごとに実行できること、文章も一緒に残せること、そして見た目の順番と実行順がずれることがあると理解することが重要です。
そのうえで、上から順に実行し直して確認する習慣を持つ必要があります。ここを押さえるだけで、Notebook を使った学習や分析はかなり安定します。
次に学ぶこと
ここまでで、Jupyter Notebook の基本を整理しました。次は、Phase 1 のまとめとして、自分が混乱しやすい Python 文法を整理します。
ここまでで学んできた内容は、どれも単体では理解できても、実際に使い始めると感覚が混ざりやすい部分があります。そのため、最後に一度、混乱しやすい点をまとめて整理しておく価値があります。
まとめ
Jupyter Notebook は、コードを少しずつ試し、その場で結果を確認するための環境です。特にデータサイエンスでは、段階的に処理を進めることが多いため、非常に相性がよいです。
また、セルごとにコードと文章を分けて残せるので、学習ノートや分析記録としても使えます。ただし、見た目の順番と実行順がずれることがあるため、上から順に実行し直して確認する習慣が重要です。ここを押さえておけば、この先のデータ処理や分析にも入りやすくなります。