Pythonでできることを整理したうえで、次は実際にコードの基本に入ります。ここでは、Pythonを使ううえで土台になる「変数」「型」「演算」の3つを整理します。

この3つは、どの文法に進んでも必ず出てきます。特に、データサイエンスの学習では、数値を扱い、文字列を扱い、条件によって処理を分ける場面が多いので、早い段階で押さえておく必要があります。

この記事で整理すること

この記事で整理する内容は3つです。

  1. 変数とは
  2. 型とは何か・なぜ型を意識する必要があるのか
  3. Pythonで使う基本的な演算

目的は、Pythonの文法を細かく暗記することではありません。コードを読んだときに「何が入っていて、どのように処理されているのか」を追えるようになることです。

変数とは何か

変数は、値に名前を付けて保存するためのものです。たとえば、数値や文字列に名前を付けておけば、その後の計算や処理で何度も使えます。

x = 10 
name = "Hanako" 

この例では、x に 10 が入り、name に “Hanako” が入っています。Pythonでは、このように = を使って値を変数に入れます。

ここで重要なのは、Pythonの = は数学の等号ではなく、代入を表す ということです。数学では x = 10 は「x は 10 に等しい」という意味ですが、Pythonでは「10 を x に入れる」という意味になります。

数学の変数とPythonの変数の違い

この点は、数学に慣れているほど一度整理しておく必要があります。数学では、変数は未知数や一般の値を表すことが多いです。一方、Pythonの変数は、その時点で具体的な値を保持するための入れ物として使われます。

たとえば、次のコードはPythonでは普通に成り立ちます。

x = 10
x = x + 1

この結果、x は 11 になります。数学では x = x + 1 は成り立ちませんが、Pythonでは「まず x に 10 を入れ、そのあと x に x + 1 の結果を入れ直す」という意味になります。

つまり、Pythonでは変数の値は固定ではなく、処理の途中で更新できます。この感覚に慣れることが、コードを読む最初の一歩です。

型とは何か

型は、その値がどのような種類のデータかを表します。Pythonでは、同じように見える値でも、型が違えば扱い方が変わります。

まず押さえるべき基本的な型は次の3つです。

  • int:整数
  • float:小数
  • str:文字列

たとえば、次のような違いがあります。

a = 10
b = 3.14
c = "10"

a は整数、b は小数、c は文字列です。見た目は似ていても、10"10" は別物です。前者は数値ですが、後者は文字としての 1 と 0 です。

型を確認する

Pythonでは、type() を使うと型を確認できます。

a = 10
b = 3.14
c = "10"
print(type(a))
print(type(b))
print(type(c))

このようにして確認すると、それぞれ intfloatstr と表示されます。型がわからなくなったときは、まず確認する習慣をつけておくと便利です。

なぜ型が大切なのか

型が大切なのは、同じ演算子でも型によって結果が変わるからです。たとえば、次の2つは見た目が似ていますが、意味が異なります。

print(10 + 20)
print("10" + "20")

1つ目は数値の足し算なので 30 になります。2つ目は文字列の結合なので “1020” になります。

この違いを意識していないと、「計算したつもりなのに結果がおかしい」ということが起こります。データ分析でも、数値だと思っていた列が実は文字列だった、ということはよくあります。そのため、型を意識することは基礎でありながら非常に重要です。

基本的な演算

Pythonでは、数値に対して基本的な演算ができます。まずは四則演算を押さえます。

  • +:足し算
  • -:引き算
  • *:掛け算
  • /:割り算

たとえば、次のように書きます。

a = 10
b = 3
print(a + b)
print(a - b)
print(a * b)
print(a / b)

これに加えて、Pythonでは次の演算もよく使います。

  • //:整数部分だけの割り算
  • %:余り
  • **:累乗
print(10 // 3)
print(10 % 3)
print(2 ** 3)

この結果は、それぞれ 3、1、8 になります。特に % は偶数・奇数の判定などでも使うので、早めに慣れておくと便利です。

文字列に対する演算

演算は数値だけでなく、文字列にも使えます。ただし、意味は変わります。

first = "data"
second = "science"
print(first + second)
print(first * 3)

この場合、+ は文字列をつなげる操作になります。また、* は同じ文字列を繰り返す操作になります。

つまり、演算子そのものよりも、「どの型に対して使っているか」が重要です。Pythonでは、この違いを前提にコードを読む必要があります。

よくある混乱

ここでは、最初に混乱しやすい点を整理しておきます。

  • = は等号ではなく代入
  • 10"10" は別物
  • 同じ + でも、数値と文字列では意味が違う
  • 変数の値はあとから更新できる

このあたりを曖昧なままにすると、その後の if文 や for文、関数でもつまずきやすくなります。基礎的な内容ですが、ここで一度きちんと整理しておく価値があります。

今の段階で押さえるべきこと

現時点で必要なのは、複雑な型や高度な演算を覚えることではありません。まずは、変数に値を入れる、型の違いを意識する、基本的な演算が読める、この3点を押さえることが重要です。

データサイエンスでは、数値計算、表形式データの処理、条件分岐などが次々に出てきます。そのたびに変数・型・演算の理解が土台になります。ここを曖昧にしないことが、このあとの学習を進めやすくします。

次に学ぶこと

ここまでで、Pythonにおける変数、型、演算の基本を整理しました。次は、複数の値をまとめて扱うための仕組みとして、リストと辞書を学びます。

データサイエンスでは、1つの値だけでなく、多くの値をまとめて扱う場面がほとんどです。その意味でも、次の記事はより実用的な内容に近づくことになります。

まとめ

変数は、値に名前を付けて保存するためのものです。型は、その値がどのような種類のデータかを表します。演算は、その値に対して計算や操作を行うための仕組みです。

この3つは、Pythonの文法の中でも最も基本にある内容です。特に、数学の変数とPythonの変数の違い、数値と文字列の違いは、早い段階で明確にしておく必要があります。ここを押さえておけば、この先の文法やデータ処理にも入りやすくなります。