Phase 1 では、データサイエンスを学ぶための土台として、Pythonの基礎を整理します。最初の記事では、Pythonで何ができるのかを確認します。

文法を細かく学ぶ前に、Pythonの役割をはっきりさせておくことが重要です。Pythonがどの場面で使われるのかを先に押さえておけば、このあとの学習の位置づけも見えやすくなります。ここでは、特にデータサイエンスとの関係に絞って整理します。

この記事の内容

この記事で整理する内容は3つあります。1つ目は、Pythonがどのような言語かということです。2つ目は、データサイエンスの中でPythonがどのように使われるかということです。3つ目は、今の自分にとって何を優先して身につけるべきかということです。

目的は、Pythonの全体像をつかむことです。細かい文法に入る前に、まず道具としての役割を明確にします。

Pythonはどんな言語か

Pythonは、プログラミング言語のひとつです。比較的読みやすく、書きやすい言語として広く使われています。そのため、初学者向けの言語として挙げられることも多いです。

ただし、Pythonの特徴は「初心者向け」で終わりません。実際には、データ分析、機械学習、Web開発、自動化など、幅広い分野で使われています。つまりPythonは、入門用の簡単な言語というより、実務や研究でも使われる汎用的な道具です。

このブログで扱うのは、その中でもデータサイエンスに関わる使い方です。Python全体を網羅するのではなく、データを扱い、分析し、理解するための道具として整理していきます。

データサイエンスでPythonを使う場面

データサイエンスでは、Pythonをさまざまな場面で使います。ここでは、特に基本となる使い方を整理します。

①データを読み込む

まず、Pythonはデータを読み込むために使います。たとえば、CSVファイルのような表形式データを読み込み、その中身を確認したり、必要な部分だけを取り出したりできます。

データ分析は、まずデータを手元に持ってきて中身を見るところから始まります。そのため、「データを読み込む」という作業は出発点になります。今後は pandas を使って、この処理を具体的に扱っていきます。

②データを整える

読み込んだデータは、そのまま分析に使えるとは限りません。不要な列を削除したり、条件に合う行だけを取り出したり、欠損値を確認したり、新しい列を作ったりする必要があります。

こうした前処理も、Pythonで行います。むしろ、分析そのものより前処理に時間がかかることも多いので、この役割は非常に重要です。データサイエンスでは、データを整える力がそのまま基礎体力になります。

③計算する

Pythonは計算にも使います。簡単な四則演算だけでなく、平均、分散、相関などの統計量を計算したり、大量のデータに同じ処理を一括で適用したりできます。

数学では式として理解していた内容を、実際のデータに対して動かせる点が重要です。理論として知っていることと、実際に計算して確かめることの間には差があります。Pythonは、その差を埋めるための道具でもあります。

④グラフを描く

Pythonを使うと、グラフを描いてデータを視覚的に確認できます。ヒストグラム、散布図、折れ線グラフなどを通して、数値だけではつかみにくい特徴を把握できます。

分布の形、ばらつき、外れ値、相関の有無などは、グラフを見ることで一気に理解しやすくなります。データを読むときは、数表だけを見るのではなく、可視化して確認する姿勢が重要です。Pythonは、そのための手段を提供します。

⑤機械学習を使う

Pythonは、機械学習のモデルを扱うためにも使います。たとえば、回帰や分類の手法を試し、学習用データとテスト用データに分け、モデルの精度を確認するといった処理ができます。

現段階で機械学習を使いこなす必要はありません。ただし、最終的にはこの方向にも進むので、Pythonが機械学習の入口になることは押さえておく必要があります。今後の学習は、この基礎の上に積み上がっていきます。

数学とPythonの違い

ここは、自分にとって重要なポイントです。数学とPythonは無関係ではありませんが、考え方の向きが異なります。

数学では、定義、定理、式の関係を整理し、構造そのものを理解します。一方、Pythonでは「何を、どの順番で、どのように処理するか」を書きます。つまり、数学が関係や構造を捉える営みだとすれば、Pythonは処理を実行可能な形に落とし込む営みです。

また、数学で使う変数と、Pythonで使う変数の感覚も一致しません。この違いを意識しておかないと、数学では理解できてもコードになると急に読めなくなることがあります。逆に言えば、ここを整理すれば、Pythonへの抵抗感はかなり下がります。

今の段階でまず必要なこと

今の段階で必要なのは、Pythonを広く深く使いこなすことではありません。まず必要なのは、データサイエンスの基礎として使える状態にすることです。

具体的には、データを読み込むこと、簡単な計算をすること、表形式データを扱うこと、グラフを描くこと、このあたりを押さえる必要があります。そのうえで、NumPy や pandas を用いたデータ処理、さらに機械学習の初歩へ進める土台を作ります。

加えて、エラーが出たときに完全に止まらず、どこを確認すべきかを判断できることも大切です。最初から高度な内容に手を広げる必要はありません。必要な範囲を明確にして、そこを確実に固めることが優先です。

Phase 1で学ぶ内容

ここまでで、Pythonがデータサイエンスの中で広く使われる道具であることは見えてきました。次の記事では、なぜ自分がPythonを学ぶのかを、研究や今後の学習との関係も含めて整理します。

そのあとで、変数・型・演算の基本、リストや辞書、if文やfor文といった文法の話に進みます。文法を覚えること自体が目的ではありません。今後データを扱うために必要な基礎を、順番に身につけていきます。

まとめ

Pythonは、データを読み込み、整え、計算し、グラフを描き、機械学習を動かすための道具です。データサイエンスでは幅広く使われるため、今後学ぶ内容の土台になります。

この段階で重要なのは、Pythonを完璧に使いこなすことではなく、何に使う言語なのかを明確に理解することです。役割がはっきりすれば、この先の文法や実装の学習にも入りやすくなります。次は、自分がPythonを学ぶ理由を整理し、そのうえで基礎を固めていきます。